ナノディスク(NanoDisc)化サービス

膜タンパク質を用いた研究をされている皆様、膜タンパク質の失活などでお困りではないでしょうか。
そんな皆様のために、ナノディスク(NanoDisc)化サービスを提供しています。

ナノディスク(NanoDisc)化サービス ProCube ONDは、目的の膜タンパク質をナノディスクに挿入するサービスです。
“Nanodisc”はイリノイ大学 分子細胞生物学科のSligar教授によって開発された技術です。二重膜を形成したリン脂質を
MSP(Membrane Scaffold Protein)で固定したディスク状の粒子”Nanodisc”の内部に膜タンパク質を組込むことで、
タンパク質の構造や活性を保ったまま水系溶媒中で可溶化できる形にします。
膜タンパク質を天然に近い状態で可溶化するため、タンパク質間の相互作用解析などに最適です。

日本国内の企業でナノディスク(NanoDisc)化サービスをご提供しているのは、 ProCubeサービスのみ(弊社調べ)。
MSPは自社で調製しており、MSP1D1とMSP1E3D1の2種類から、タンパク質の分子量にあわせてお選びいただけます。
お困りのタンパク質はありませんか?お気軽にお問合せください。

 

ProCubeOND サービス内容

ProCubeOND は界面活性剤で可溶化した膜タンパク質を MSP(Membrane Scaffold Protein)で固定されたリン脂質二重膜に再構成し、目的タンパク質を NanoDisc 化させるサービスです。
ProCube サービスを利用して生産したタンパク質はもちろんのこと、お客様がご用意されたタンパク質を NanoDisc に挿入することも可能です。NanoDisc 化タンパク質を含む溶液*と作業報告書を納品します。

イメージ図

Step 作業工程
1 NanoDisc化
2 ゲルろ過、精製、濃縮
3 SDS-PAGE

可溶化条件決定には、ProCubeOSsをご利用ください。

【納品物】
NanoDisc化タンパク質を含む溶液*、報告書
【納期】
2週間~

*ProCubeONDは作業代行サービスです。
目的タンパク質の種類によってはNanoDiscに挿入されない場合がありますので、ご了承ください。

 

NanoDisc化までの流れ

リコンビナントタンパク質調整
・お客様ご提供のタンパク質、あるいは弊社発現タンパク質から精製いたします。
※ 詳細につきましては別途ご相談とさせていただきます。

NanoDisc化
・MSPのサイズやリン脂質の種類を組合せて、ご指定条件数でNanoDisc化します。

精製・濃縮
・各種精製等(アフィニティ精製、ゲルろ過、濃縮)を実施します。

納品
・NanoDisc化タンパク質を含む溶液*と作業報告書を納品します。

*ProCubeサービスは作業代行サービスです。
目的タンパク質の種類によっては NanoDisc に挿入されない場合がありますので、ご了承ください。

クライオ電子顕微鏡 二次元平均画像

nanodisc_img_5

クライオ電子顕微鏡で撮影されたディスク状のナノディスク

 

既報の通り、2本のMSPで構成されていることが確認できました。

撮影:cryoARM 200

(提供:大阪大学大学院 生命機能研究科 プロトニックナノマシン研究室)

アプリケーション例 – NanoDisc化タンパク質機能評価例

【プロトコル】

  • タンパク質Aを発現させた蛹を磨砕

  • 膜画分の調製 ProCubeOM

  • 可溶化条件の検討 ProCubeOSs

  • 膜タンパク質の可溶化 ProCubeOS

  • 精製

  • NanoDisc化 ProCubeOND
イメージ図

ゲルろ過では図1.の通り、NanoDisc化タンパク質A (タンパク質A+MSP1D1)とNanoDiscのみ(MSP1D1)では溶出時間の差が見られました。各溶出画分をSDS-PAGEに供したところ、NanoDisc化タンパク質Aを含むサンプルではタンパク質AとMSP1D1が同一の画分に確認されました(図2.)。これらより、想定通りにNanoDisc化タンパク質Aが形成されたことを示唆する結果が得られました。

 

アプリケーション例 – NanoDisc作成例

薬物代謝の8割以上に関与するといわれているのが代謝酵素Cytochrome P450(P450)です。P450は小胞体やミトコンドリアに局在する膜タンパク質であり、ヒトでは57種類のP450遺伝子が同定されています。なかでもCYP3A4は最も多くの薬物代謝に関与するとされています。P450が薬物代謝活性を発揮するにはP450還元酵素(Cytochrome P450 reductase, CPR)と複合体を形成することが必要です。そこで、カイコで発現させたCYP3A4とCPRをそれぞれ精製してCYP3A4の活性評価を行いました。
その結果、CYP3A4とCPRの混合溶液では活性がみられませんでしたが、NanoDisc化されたCYP3A4複合体では活性が確認されました(図3.および図4.)。これらの結果から、NanoDisc化することで活性を有するCYP3A4複合体が形成されたことが示唆されました。

イメージ図